茶道具類
やきもののみかたの基本(日本六古窯・遠州七窯)・茶碗の型と部位の名称・やきものの分類・釉薬・やきものとその特徴(窯元)
茶道具類 掛物・花入れ・茶杓・茶筅・釜・茶入れなど
信楽(しがらき) |
備前(びぜん) |
越前(えちぜん) |
瀬戸(せと) |
丹波(たんば) |
常滑(とこなめ) |
志戸呂(しどろ) |
静岡県榛原郡 慶長年間に徳川家康が瀬戸の陶工「加藤九郎右衛門景延」を 招いて再興したといわれます |
膳所(ぜぜ) |
滋賀県大津市 膳所の城主石川忠総が遠州の指導の下に築いた窯でしたが 一代で途絶えてしまいました |
上野(あがの) |
豊前(福岡県) 細川三斉が朝鮮から連れ帰った陶工「尊楷」が 窯を開きました |
高取(たかとり) |
筑前(佐賀県) 黒田長政が朝鮮から連れ帰った陶工「八山」が 鷹取山で窯を開いたことに始まります |
朝日(あさひ) |
宇治 小堀遠州の門下永井信斉が朝日山で 窯を開きました |
赤膚(あかはだ) |
奈良県奈良市 天正年間(1590年代)に大和郡山城主であった豊臣秀長が 尾張の常滑から陶工「与九郎」を招いて窯を開かせたのが始まりです |
古曽部(こそべ) |
摂津(兵庫県) 寛政年間(1790年ごろ)に五十嵐新平が釜を築いたのが始まりで 小堀遠州没後の開窯といわれています |
端反茶碗 | 井戸形茶碗 | 鉄鉢茶碗 | 椀形茶碗 |
平茶碗 | 天目形茶碗 | ||
杉なり茶碗 | こもがい形茶碗 | 筒茶碗 | 半筒茶碗 |
「陶器」 |
粘土に釉薬を施し1100〜1200度で焼かれます 一般的に素焼き後に絵付け、施釉、本焼という工程を経ます 笠間・益子・織部・志野・唐津・萩・相馬・薩摩焼など |
「磁器」 |
石の粉に粘土や石英などを混ぜた陶石を使用します 焼成温度は1300度前後の高温です 有田・伊万里・九谷・瀬戸・美濃・砥部焼など |
「せっ器」 (やきしめ) |
吸水性の少ない粘土を使用し釉薬をかけません 1200〜1300度の高温で長時間掛けて焼成します 備前・常滑・信楽・万古・伊賀焼など |
「土器」 |
粘土に釉薬無しで素焼きで完成します 焼成温度は700〜800度で焼成します 食器には向きません(植木鉢など) |
低火度釉 |
1200℃以下で溶融する釉薬です 鉛釉・アルカリ釉・硼酸釉・フリット釉 |
中火度釉 |
1250℃以下で溶融します 亜鉛釉・バリウム釉・フリット釉 |
高火度釉 |
1250℃以上で溶融します 長石釉・タルク釉・ドロマイト釉 |
赤 | 辰砂釉、均窯釉、釉裏紅、鉄赤釉、鉄砂釉、クロムピンク釉 | |
青 | トルコブルー釉、瑠璃釉、影青(いんちん)釉、砧青磁釉、なまこ釉 | |
黄 |
灰釉という灰を原料とした釉薬で 高温で溶かすと灰の成分が黄となる | 黄瀬戸釉、黄いらぼ釉 |
緑 | 鉛釉と 銅釉(織部)高火度釉など | 灰釉、青磁釉、織部釉、クロム緑釉 |
茶 | 飴釉、柿釉、蕎麦釉 | |
黒 | 鉄の成分から作られる釉薬 | 黒天目釉、瀬戸黒釉、油滴天目釉、曜変天目釉 |
白 | 志野釉、わら灰釉、糠白釉、その他の乳濁釉やマット釉 |
流しがけ (柄杓がけ) |
竹製柄杓や金属柄杓に釉薬を入れ、素焼きした素地を廻しながら満遍なく掛けたり、 部分掛けて模様にします。 大型のもので釉薬掛け容器に入りきらない場合この方法を用います。 |
浸しがけ (丸がけ) |
素地の大きさに応じた容器(バケツ類)に釉薬を入れ、 釉薬が沈殿しないように攪拌しながら素地を釉薬に浸し入れて全体に掛けます。 簡単に早く出来るので一般的に多く用いられる釉掛けの方法です。 |
吹がけ |
霧吹きやコンプレッサーで釉薬を掛ける方法です。 釉薬を均一に掛けたり濃淡をつけることも出来ます |
バッカンがけ |
湯飲みなど筒状のものに釉薬を掛ける方法です。 高台を持ち素地の口縁の方から釉薬に浸しいれ、 高台付近まで釉薬が掛かったら急に素地の口縁が釉薬の表面近くに来るように引き上げ、 その直後すぐ素地を下に押し入れます。 すると素地の内側まで釉薬が一度に掛かります。 |
塗りがけ |
刷毛や筆で釉薬を塗って掛けます 釉薬に濃淡をつけることが出来ます |
京都:楽焼き | 山形:平清水焼き | 栃木:益子焼き | 茨城:笠間焼き | 群馬:月夜野焼き |
新潟:無明異焼 | 岐阜:美濃焼き | 愛知:瀬戸焼 | 高山:渋草焼き | 愛知:常滑焼き |
三重:伊賀焼き | 金沢:九谷焼き | 金沢:大樋焼き | 福井:越前焼き | 滋賀:信楽焼き |
京都・京焼き | 奈良:赤膚焼き | 兵庫:丹波立杭焼き | 岡山:備前焼き | 山口・萩焼き |
福岡:上野焼き | 福岡:小石原焼き | 大分:小鹿田焼き | 佐賀・唐津焼き | 佐賀:有田焼 |
灰かぶり 登り窯で、焚き口のすぐ下の床で、 燠に埋めて焼成します。 床に接した下の面には自然の桟切りができ、 上の面にはブツブツした半溶け状態の灰が、 榎の肌のようにこびりついています。 この焼けの無傷でいいものは、 ひと窯焚いてほんの数点という珍重品です。 |
胡麻(ゴマ) 松割り木の灰が、素地に降りかかってできる模様です。 窯の内の温度差で灰の溶け具合が異なり 「流れ胡麻」「カセ胡麻」「黒胡麻」等 数種のものがあります。 胡麻の定着には少なくとも一週間以上 割り木を焚き続けなければなりません。 |
桟切(サンギリ) 窯の隅や、器物の陰など、直接に炎や灰の当たらない、 煙に包み込まれるような場所でとれる模様です。 人工的には、炭を落とし入れ、 それを燃焼させることによって、 還元状況をつくり出します。 金彩や銀彩・灰色などを呈しています |
緋襷(ヒダスキ) 素地に稲藁を巻いて焼成すると、 藁の跡が緋色の筋となって発色します。 登り窯では「サヤ」に入れて、割り木の炎を遮断して 焼かなければならないので、 以前は貴重な焼けのひとつでした。 今は、ガス窯・電気窯で、 鮮やかな緋襷が作り出せるようになりました。 |
伏せ焼 かぶせ焼とも言われるもので、 壷や徳利の口辺に椀形のものをかぶせて焼成する。 また、壷、花器などの口に、 一輪形の花入を差し込んで焼成することもある。 ともに、器物で包み込まれた所が、 黒灰色や赤褐色を呈する。 まれに、金、銀彩が表れる場合もある。 |
金、銀彩 一種のラスター彩で、 強い還元状況によって生まれる模様である。 備前焼で、桟切と呼ばれているもののなかに、 部分的に金、銀彩が表れる。 また作品全体が、金彩に被われる場合があるが、 これは、作品を密に詰め、炎の通りを極力抑えることによって、 偶然生まれてくるものである。 |
メロン肌(かせ胡麻) 備前焼で、松割木の灰が作品に降りかかり、 溶けてできる模様が胡麻といわれるものである。 窯の中の温度の高低によってそれぞれ、 流れ胡麻、かせ胡麻、黒胡麻となるが、 1100℃前後の比較的低温で焼成するのが、 かせ胡麻である。 一般に灰緑色をしており、 手に触れる感じがザラザラしている。 こうしたかせ胡麻の中で、特に荒い貫入が入ったものを メロン肌(かせ胡麻)と呼んでいる。 |
ぼた餅 皿や大鉢の底部に、黒灰色、赤褐色、 或は金、銀のラスター彩など、 円形の抜けがあるものをいう。 これは、白地の器物に、耐火度の高い土を 煎餅様にしたもの(ぼた)を乗せて焼成する。 ぼたが置かれた部分は、灰や炎が遮られて、 独特の色調をもった抜けができるのである。 |
現代の茶会では掛物がその主題となります 茶会を催す場合、亭主はテーマを定めてそれに因んだ掛物を用意します 亭主と客の間で、先ず「お床(とこ)は?」という客の問いかけがありますが、 茶室においては、最初に掛物の拝見から始まります 掛物では、禅の高僧の墨蹟(ぼくせき)が喜ばれるようになりました また、和歌の色紙、懐紙、古筆切れなども使われます |
真 | 土風炉 |
色紙風炉:低い風炉の口が四角に切ってあり、その口の形が色紙形 紹鴎風炉:眉風炉 四方風炉:角形軸足で火口も角形に切ってある 透木風炉:火鉢形で透木を用いる 箪瓢風炉:瓢箪の逆さまの形で口は浅く道安に切ってある 道安風炉:千道安好で火口のくりが大きく、腰の張った風炉 面取風炉:道安風炉の上縁の角を大きく面取りしたもの 紅鉢風炉:火口を半円形に切った摺り鉢形 鳳凰風炉:胴に鳳凰の浮き文があり眉風炉形 |
行 | 唐銅風炉 |
朝鮮風炉:肩が張って長い乳足の風炉 鬼面風炉:中国より渡来した最も古い形で鐶付きが鬼面 琉球風炉:撫で肩で足が短い乳足の風炉 鳳凰風炉: 鳳凰風炉と擂座富士釜があります |
草 | 鉄風炉 |
鉄風炉は腐食で口縁部や甑等が欠け落ちることが多かったが、 茶人はそこ風情を見出して、そのまま使うことで「破れ風炉」あるいは「欠け」「やつれ」と称して、 名残の茶席等で侘として好まれ、その後最初から欠け風炉として造られるようになった 大きな鬼面風炉の姿が多い |
板風炉 |
周囲を板で囲んで内側を炉と同じように壁を塗りつけたもの 中の灰は炉灰を使って、名残の茶席等で使用される |
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陶磁器風炉 |
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