茶室

日本三名席今日庵・不審庵茶室内露地にじり口水屋茶花




茶事を行う座敷のことですが、そもそもは書院に炉を切って茶を点てることに始まりました
やがて茶の湯の"侘び茶"という精神性を求め始めると、草案風の茶室が好まれるようになりました

一切の贅を排し、そこににじり口など茶の精神を象徴した意匠を組み込むなどして、
精神性をデザインの中に巧みに取り入れ完成された建物です

茶の湯の精神を表現するに室内を極限まで縮小しまして
六畳から四畳半隣、更に草案茶室は一畳台目,三畳台目などといわれる茶室が造られました

日本三名席といわれる茶室があります

  1. 愛知県犬山市 「有楽苑(うらくえん)」内「如庵(じょあん)
  2. 京都府乙訓郡大山崎 「妙喜庵」の「待庵(たいあん)
  3. 京都府 大徳寺龍光院 「蜜庵」


有楽苑 (国宝茶室如庵)



犬山城の東にある有楽苑(うらくえん)には、国宝茶室如庵(じょあん)があります、
如庵(じょあん)は織田信長の実弟、織田有楽斎(うらくさい)が建てた茶室です
昭和11年に国宝の指定を受けた茶道文化史上貴重な建築物で、現存する国宝茶席の 三名席のひとつといわれています。
大阪冬の陣の後、武家を棄てた有楽斎は、京都建仁寺の正伝院(しょうでんいん)に隠居し、この如庵 を建てて、茶の湯に親しみました。
開苑時間………9:00〜17:00(3月1日〜11月30日)/9:00〜16:00(12月1日〜2月末日)
料金……………入苑料:1,000円/呈茶料(一服):500円/貸席料:各25,000円
年間行事………初釜:毎年1月1日〜6日/国宝内部公開:毎年11月頃(3〜5日間)
問い合わせ……有楽苑 TEL0568-61-4608

妙喜庵 (みょうきあん)茶室待庵(たいあん)



妙喜庵は室町時代後期に東福寺の僧春嶽が開山し国宝の茶室待庵があります
千利休が唯一創作した茶室とといわれます
室内は二畳という極小の空間で、小間の茶室の原点といわれています
にじり口が設けられた初めての茶室とも言われています。
往復はがきで予約申込みが必要 (子供不可)
〒618-0071 大山崎町字大山崎小字竜光 56


今日庵・不審庵 茶室


今日庵又隠(ゆういん)
席名の由来は、宗旦が再度の隠居に際して新たに造った庵を、また隠居するという意味から命名したことによります
萱葺の南面入母屋造りで、ことに採光のための庇の突上げ窓の様式など、四畳半草庵の茶室として、今日庵と並び裏千家の代表的な茶室とされています。
躙り口周辺の豆を撒いたような配石(豆まき石)も宗旦の創意と伝えられています。

不審庵
表千家家元邸です







露地



古くは茶室に至る通路を意味しましたが、これは茶室に付属する庭のことです
茶の湯が侘び茶という、精神性を求めることになり、露地についてもそれまでの書院茶室とは異なった、
深山幽谷的な風情を求めるようになり、巧みに自然の山野の趣を醸し出すように造られています


にじり口
茶席の客の出入り口です。
利休居士が舟付に漁夫たちがにじり口から出入りするのを見て考案したものといわれています
方形で二尺(60cm)角ぐらいの狭い出入口で、すべての客はこのにじり口から出入りする
畳の上に正座した状態で、両手を前方について、腰を浮かせるように、すべるように前に進むことを「にじる」といいます
このような姿勢で狭い口から出入りすることからにじり口を呼ばれます

何も持たずに身一つで茶室に入るのが約束です
武士・大名でしたら大刀を、僧侶でしたら大袈裟を、女性でしたら装飾品を身からはずさないと通れないよう狭くし
身分や男女の分別を超越した、ただ茶の湯の客人として、等しくおもてなしするというのが「普茶の精神」です
その普茶の精神を象徴的に現したものがにじり口でもあるのです


水屋



お茶を点てるための準備室です
茶を点てるためには多くの茶道具を用いますが、そうした道具をきちんと収納できる機能性が求められます
水屋には道具を清潔に洗い流すための流しも必要ですが、このことから水屋という名称がつけられたようです



茶花



茶室に置かれる唯一の生物です
茶花の発生は仏前の立花(たてはな)です
「花は野の花のように」という利休七則に沿って、自然に野に咲いている姿をそのままに生けるものとします




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