お茶の頂き方

順序 @入室Aお床拝見B道具拝見C席に着くD扇子を置く位置E亭主入室F茶菓子Gお点前拝見Hお茶をいただくI茶碗拝見
所作 @蓋付の菓子器のお取扱いA四角い容器のお取扱いB蝋燭(ろうそく)立ち





亭主があらかじめ香をたき室内を整えておきますので茶室は清廉な雰囲気に包まれています
茶室内ににじり入ります
室内に入り床の間に向かいお辞儀をします
立ち上がり通畳(かよいだたみ)を歩み床の間へ進みます



掛物拝見です
掛物は本日のテーマを表現した掛け軸を亭主が選び掛けてあります
先ず床の間の前に座して扇子を膝の前に置き、お辞儀をしてから拝見します



茶会の主題である掛物の内容を拝見し、本日の茶会のテーマを推し量ります



床の間には掛物と茶花が生けられています
茶掛けの次に茶花を拝見します
(掛物拝見が終了したら茶花も拝見します)




床の間の拝見が終了したら最後にお辞儀をして立ち上がり道具の拝見を行います
室内を移動するときは通畳の上をを歩くようにします
水指しの拝見(お辞儀は不要です)



釜の拝見(お辞儀は不要です)



拝見後席に向かいます
通畳を歩きます



席に座ります



入室から自分の席に座るまで、同様に拝見が繰り返されます



掛物や道具拝見が混雑する場合は席に座り順番を待ちます
大寄せの場合混雑して待ち時間が長くなりそうな場合は、拝見は控えても問題ありません



席に座りましたら扇子は背後に置きます
正客は扇子の要(柄の部)を床の間向きに、次客からは全客正客とは反対向きに扇子を置きます




拝見も終了し席に落ち着きましたところで室内のマナーについてお知らせします
室内への出入りのときは、左足から入室し、右足から出ます
室内を移動する場合、
室内で立ち上がるときは両膝をそろえて立ち上がります
(慣れませんと難しいので片膝ごとに立ち上がって構いません)
いずれの場合も畳の縁は踏まないよう心がけてください


席入りが終了しますと、茶道口より亭主が入り挨拶を交わします
正客が一膝前に出て扇子を前に置きまして挨拶を交わします
挨拶終了後には再び扇子を背後に置きます

 

先ず主菓子(おもがし)が運ばれてきます
写真の場合ですと亭主が運んできましたが、
茶会などでは半東(はんとう)さん(亭主の補助役)又は水屋にいるものが運び入れや器の上げ下げを担当します



お辞儀をします



茶会によりまして、季節によりまして主菓子だけ、或いは干菓子(ひがし)だけという場合もあります
主菓子の器は上座(次客と反対方向)に仮置きします



干菓子の登場です
ご覧のように干菓子の場合は蓋無しの器(四方盆など)で運ばれるのが普通です



お茶会では先ず正客を優先してなされます



主菓子と干菓子が運ばれてきました
お辞儀をします



菓子をいただくその時まで上座に仮置きしておきます



茶菓子が出されたら亭主はお点前に入ります
お客さまは亭主のお点前を拝見します



お菓子は大寄せの茶会においては半東さんが声を掛けます
少人数の場合は亭主の茶筅通しが始まった頃取り始めます
はじめに主菓子を取り器を次客へ送ります。次に干菓子を取り同様に次客へ送ります
このように順次、下座のほうへ送ります
菓子器を下座へ送る場合は畳の縁外(へりそと)で次客との中間点あたりに置いてお辞儀をします

主菓子には黒もじの取箸がつきます
箸の取り上げ方は、先ず右手で上からつまむように取り左手で受けます
次に右手で下から箸を持ちます

主菓子の場合、蓋付きの容器で出される場合があります
丸い蓋は両手を添えて持ち上げ、右手を左手のほうへ近づけ本を開くように開けます
取り終えたら左手を右手のほうへ近づけ本を閉じるように蓋をして下座へ送ります

(大寄せの茶会では蓋のみを先に次客へ送る場合もあります)
上座のお客様の所作を観察すると良いですね



干菓子の場合は箸がつかないのが普通です
その場合は、手で取ります
お菓子は数種類出されるのが普通ですが出された茶菓子は全種類取るように心がけてください

菓子器にも正面があります
容器の正面は景色といわれる模様で判断します



どちらが正面かわかりづらい器もありますが、ご自分の前に運ばれてきたとき、或いは上座から送られてきたときに
かならず容器の正面と相対しているように置かれます
菓子がご自分で取り上げて無くなった場合、下座へ送れませんので、
空の容器を丸いものは丸回しで、四角いものは四方回し
正面が亭主側に向くようにして縁外へ置きます(半東さんが器を下げます)

菓子を食するタイミングは基本的には菓子器からご自分の分をとり終えましたら食します

茶菓子のいただき方
左手に茶菓子を置いた懐紙を乗せていただきます
主菓子の場合は楊枝を使用し、干菓子の場合は手でつまんで食します
茶が運ばれてくる前に菓子は終了します(茶と菓子を交互に食べることは避けます)



亭主のお点前で茶が点てられると、その一服目は正客に出されます
これも通常は半東さんが運びます



右手で茶碗を取り上げ
畳の縁内側、次客との間に茶碗を置き「お先に頂戴します」と挨拶・お辞儀をします



茶碗を再び取り上げ正面に置き、亭主にお辞儀をしてからいただきます



右手で茶碗を取り上げ左手を底に添えます
一呼吸を置き抹茶のあわ立ち具合などを鑑賞します
ここで茶碗の正面はご自分に向いていますが、
時計回りに二度茶碗を回し、これからいただくときの吸い口は正面を避けます
飲むときは左手は茶碗の底部、右手は茶碗の胴部にあて数回で飲みきります
二回の飲む動作でほんの少量が茶碗内に残る程度に飲みます
抹茶は最後の一滴まで吸いきるのですが、最後のときにスッと音を立てながら吸いきります
飲みきりましたらご自分の口をつけた茶碗の縁部分を親指と人差し指で挟むように拭きます
拭いた指は懐紙で清めます



飲み終えた茶碗は、飲み口の部分を清めた後で正面が再び正対するように二度回し
縁内に置きます
茶碗の拝見をします
はじめに両手をついて全体の姿を眺めます
景色(模様など)や姿、釉薬などに想いを馳せながら鑑賞すると良いでしょう



縁内で両手で器を囲んで身を低くして拝見します
質感を感じ取りながら細部を鑑賞しますが、あまり高い位置には持ち上げません
持ち上げましてもせいぜい椀と畳の間に握りこぶしが一個入る程度です



正客に出される茶碗は本日の茶会の主椀です
正客が一服終了しますと、次客は道具の拝見を正客に請います
それを請けて正客は亭主或いは半東さんに拝見に回す所望をします



次客へ茶碗を送ります(主茶碗をお客様全員に拝見していただくため)
次客からは正客と同様に茶碗の拝見をします



茶席の席では、亭主、半東さん、上座下座のお客さまに事あるごとに
敬意と感謝を表すためにお辞儀はたくさんします
基本的に上座のお客さまが拝見や茶菓子の所作が終了近くになりましたら
下座のお客様に「お先に」というお辞儀を済ませておきます
これを次礼(つぎれい)と言います
感謝の心で事にあたると自然なお辞儀ができますね




お茶の頂き方資料編


菓子器の蓋の取り方
@蓋の取り方


A蓋の仕方



B空の容器は蓋をして前方に移動します(丸回し)



C四方回し 四角い空の容器の扱い方


D四方回しにおける回す方向(時計回り)



蝋燭立ち(ろうそくたち)
片膝をつくのではなく両膝を一緒に立ち上がります




黒文字箸(くろもじばし)
楊枝(ようじ)のようなもので、黒文字(楠木科)という木の枝を削って作ることから
この名称がつけられました


菓子器の種類
縁高(ふちだか)
濃茶用の主菓子用で重箱型(塗り物)です
正式には五重に重なり、菓子は一重一個が原則です
縁高には水でぬらした黒文字が人数分添えられますので、黒文字一本で菓子を切って食べます
お客さまが大勢だと上の重から順番にお菓子の数を増やしますが、一番下の重だけは一個にします
正客は最下壇の重から取り、次客からは順番に下方の重から取ります

菓子鉢
主菓子器で陶磁器が一般的です
客の人数分を盛り付けて、水でぬらした黒文字の取箸がつきます

干菓子器
漆器。木地・金属などいろいろな種類の菓子器があります
数種類の干菓子を客の人数分より多少多めに盛り付け出します
客は手で取ります





何にても道具扱ふたびごとに取る手は軽く置く手重かれ
千利休

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